前回まで説明してきた「心」とは、心の中でも一番浅い部分のことです。この部分は、「頭」の部分です。意識や自覚といったように頭で認識している部分になります。

私たちは「悩まないための心」とか「運をよくするための心構え」といったものは、頭ではすでになんとなく意識や理解をしているのです。

当然、マイナス思考よりプラス思考がよいということは誰でも知っていますし、愛の心、感謝の心が、幸運となって返ってくるといった知識は、誰からともなく聞いて、頭ではわかっているものです。

これが心の中でも一番浅い「頭」の部分です。顕在意識とも言います。

顕在意識とは
顕在意識は、心の中で意識的に、理解してい・認識している。という意味です。

インプットでは書き換えられない心

もし、頭でわかって理解するだけで解決するなら、世界中の大成功者や大富豪、聖者や覚者の本、教材などを買い集めて次々と頭にインプットし続ければ良いだけです。

仮にそのことに何百万円注ぎ込んだとしても、たった本や教材を買うだけで望みがかなって「最高に運のよい、すばらしい人生」が得られるのであれば安いものです。

しかし、実際はどうでしょうか。

どれだけ「プラス思考で生きよう」と努力しても、ふと我に返った時、どうしてもそう思えない心が湧き上がってきてしまうのではないでしょうか。

「感謝しろと言われたって、そう思えないから仕方ないじゃないか!」
「プラスに考えろ、なんてわかっちゃいるけど、こんなひどい状況では、どうしたって不安にもなるよ………」
「すべての人を愛せよったって、あいつだけはどうしても許せないし、あいつが悪いんだから、憎むのは当たり前じゃないか!」

このような思いが浮かんできてしまいます。ここにプラス思考の限界があります。

プラス思考を身に付けようとインプットする。徹底的に実践すれば、たしかにある程度プラス思考を身に付けることは可能かもしれません。

本を読んだり、誰かに相談したり、どこかに話を聞きにいったり、はたまたセミナーや研修に参加して取り組めば、その直後や調子のよい時は心が晴れることもあるでしょう。

しかし、ふと力を抜いたとき「やはりだめだ」「プラスに思おうとしてもどうしてもそう思えない」といった心が自然に出てきてしまうのです。例えていうなら、心に効く痛め止めのようなものです。根本が治る薬ではありません。

よい教えや考えをどれだけ学んでインプットしても、それは心の一番上の部分、「頭」という思考の中での話です。

このように、大多数の人々は、「頭ではわかっている」のです。

しかし、日常の現実に戻ると、思い通りにいかない出来事があれば「やはり自分はだめだ」と思う心が出てきたり、また誰か他人から気に障ることを言われれば、一瞬にして「感謝しよう」という心が吹き飛んで、「どうしてもそう思えない」心が湧き上がってきたりするのです。

インプットする前に「すでに思っていること」が問題

私たちは、この「頭」の部分への徹底的なインプットを、一旦止めなくてはなりません。なぜなら、これは問題解決とは反対の方法だからです。

根本的な解決方法とはやり方がまったく逆なのです。実は、私たちの心には「思おう」とする前に、「すでに思っている心」があり、深く定着しています。

そして、もともと定着していた心ですから、後から「思おう」としてインプットした心よりも、圧倒的に強いのです。「思おう」として何度も反復して言い聞かせても、ふと力を抜いたときに、湧き上がってくるもの。それは、この「すでに思っている心」なのです。

では、この「すでに思っている心」とはいったいどこから来るのでしょうか。次回の記事ではそのお話をさせていただきます。

※このコンテンツは当グループ代表佐藤康行著書「ダイヤモンドセルフ」をAilandgate特別版としてお届けしております。